【ネタバレ】映画「星めぐりのまち」感想【愛知県豊田市舞台】

  • 2018.01.26
  • 2020.02.02
  • 映画
【ネタバレ】映画「星めぐりのまち」感想【愛知県豊田市舞台】

 

1月27日㈯より全国ロードショーの作品だが、愛知県にて先行上映されていたので観てきた。東日本大震災を題材とした映画。テーマがテーマなだけにどのような切り口で展開していくのか憂いな気持ちを抱いていたが、とても心温まる作品となっていた。 と同時に、あの日からもう丸7年経とうとしている事実に驚愕する。

星めぐりの町の感想、あらすじetc.

監督は「蝉しぐれ」以来、12年ぶりに映画を手掛ける黒土三男。監督自身、2011年の震災発生時は千葉県浦安市に暮らしており、地面の液状化現象で自宅が半壊する被害に遭遇する。その後、姉や兄が暮らしており、以前から馴染みのあった豊田市に移住する経歴をもっている。

ロケ地は、全編豊田市で撮影しているが、それを大々的に主張しているわけでもない。観光名所というより、日常を描こうと、普通の地が主な撮影スポットとなっている。一概に豊田市といえど、広すぎるが故に豊田市民でも、豊田市とわからない場所も多い。だからこそ、 「あ!ここだ!」と知ってる場所に気づけるとちょっと嬉しい。

あらすじとしては、引用すると、

 

妻を早くに亡くし、一人娘志保と二人暮らしをする主人公、島田勇作。京都で豆腐作り修行を積んだ勇作は毎朝じっくりと手間と時間をかけて美味しい豆腐を作り、町主婦や料理屋に届ける生活を続けていた。
そんな勇作の元に、警察官に付き添われ、東日本大震災で津波により家族全員を一瞬で失った少年・政美がやって来る。
亡き妻の遠縁にあたるという政美。突然不幸により心に傷を抱える政美を、勇作はただ静かに見守り続ける。
自然に根差した自給自足の勇作との暮らし中で、薄皮が一枚、また一枚とはがれるように、
少しずつ心を再生させていく政美。しかし勇作がひとりで配達に出ている最中、町が大きな揺れに襲われ、
一人で留守番をしていた政美に震災の恐怖がよみがえり、姿を消してしまう…。                                                                       引用:公式サイト

 

とある。

が、実際はこれを読んだらストーリー的にはすべてを理解したようなもの(笑
何の変哲もなく、内容を説明すると、そのままと言っても過言ではない。

ネタバレといっても、シックスセンスやユージュアルサスぺクツみたいな大どんでん返しが用意されているわけでもないのだ。

これは普通の人の、普通の日常を眺めて、その光景に素直に感動する。そんな映画。
穏やかに流れる川に身を任せるかのようにして鑑賞するのがいい。

 

 

勇作(小林稔侍)のもとにやってきた政美(荒井陽太)は一向に心を開こうとしない。

心の傷が癒えず、塞ぎ込んでいる政美に対して、勇作は辛抱強く接する。ただ、それは決して、何かを強いることなく、常に自由を提供しながら、見守り続けるスタンスで振る舞っていく。

移動販売の仕事に出掛ける際にも「俺と一緒に車に乗るのも、家で留守番するのもお前の自由にしていい。」と言い、選択の余地を与える。

そんな働きかけに対し、次のシーンではひょっこり車に乗り込んでいる政美の姿にほっこり。当初は食事も風呂も拒絶していた政美だったのだが、、、かわいいところあるじゃねーか。

小さな優しさの積み重ねによって、相変わらず終始無言ながら、塞ぎ切った心を少しずつ開けていく。

 

 

ある日、いつものように移動販売が到着すると、政美は突如、車を降りる。そして、勇作のルーティンを真似て、そそくさと仕事を手伝い始める。ついてきてただけでなく、いつもの勇作の仕事様を見ていた証拠だ。そんな政美の姿に心打たれたのか、勇作は、新しい作業着やグランパスのユニフォームを部屋に置く形でプレゼント。見つけた政美は一人ではしゃぐ。そして、勇作の仕事場に感謝の置き手紙を書き記す。

この一切言葉を交わさない一連のやりとりは、一つの壁が取り払われた瞬間であり、心に響いた。行動で感謝を伝えようとする姿勢は、口先だけのものよりも余程説得力があるな思った。

 

 

政美が一人で留守番している最中、地震に見舞われる。トラウマが蘇ったのか、どこかに姿を眩ませてしまった。そんな政美を全く探しに行こうとしない勇作は、志保(壇蜜)に非難を浴びるが、動じることなく待ち続ける。この先の人生で見据えて、自分一人で生き抜いていけるようにと自ら立ち直りをさせようとする。そこにはやはり、強制はさせない、手は差し伸べるが、引っ張り上げることはしない、放任して自立させようとする、そんな一貫とした主張が感じられる。

 

ラストシーンは野見山展望台。

政美に対して、「これから先もつらいことがあっても生きるんだ」的なことを語りかける勇作。内容まで正確に覚えていないほど、ありきたりな台詞ではあったが、小林稔侍の演技に魅せられてなかなか感動した。その語りかけに対して政美は、雨ニモマケズの暗唱を始める。勇作もそれに応えて掛け合いを始める。政美が、初めて誰かに向かって発した言葉がこのシーンなだけに感慨深い。ちょっと潤んだ。

 

総合的に号泣する感動系でなく、心温まる感動系の作品となっている。

映画の主線として、勇作と政美があるが、サイドストーリーとして、志保の恋模様や社長(平田満)のものづくりのこだわりが~うんうぬの下りも存在した。が、それらは伏線回収させることなく、なんとなく消化不良に終わる。

中途半端にこういうシーンを入れるくらいだったら、勇作と政美との心を開くまでの過程を紆余曲折させるとか、親戚をたらい回しだった過去の描写や回想みたいのを深堀りするとかがあるともっと感情移入できると思った。というのも、政美も案外速い段階で心を開き始めて、とんとん拍子でことが進んでいった感も否めないのだ。

 

まあ何はともあれ最終的には、満足いく映画であった。良いもの観れたと心満たされて映画館を後にできる。出てくる景色も奇麗だし、出てくる飯は異常に美味そうだし。(和食食べたくなる)

そして豊田に愛着と馴染みがあればあるほど、贔屓目でみれて、終始わくわくできる。そして、ここどこだっけと、場所が気になりすぎてストーリーが入ってこないこともある(笑)

星めぐりの町を無料で鑑賞する方法

 

星めぐりの町はU-NEXTで無料鑑賞できる。31日間の無料トライアル期間があり、31日間に解約すれば料金は一切かからない。

もちろん気に入ればそのままサービス継続もできる。最新映画から海外ドラマまで幅広い作品が楽しめるので是非とも。



 

おしまい

 

 

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