旅行と言ったら京都みたいなところはある。
世界遺産の塊であり、無計画で訪れてもそれなりに観光できてしまうほどの名所の数々。
僕としても年に数回訪れるが、有名所に頼ってしまいがちなのも事実。
今回、いつものような観光ではなく、変わったことやってみたいなと思い、坐禅体験に行ってきた。そんなときの話。
訪れたのはこちら。
毘沙門堂 勝林寺
寺自体の写真はない。撮り忘れた。
大量の煩悩を抱え込んだ状態でいざへ乗り込む。
20~30人は入れそうな広々とした和室に通される。そこから眺められる庭園の新緑に目を奪われる。いかにも和って感じ。
最初に寺の歴史や坐禅の取り組み方について説明してくれる。ざっと方法をまとめた。
座禅の取り組み方、やり方
足の組み方
普通のあぐらの状態から、左太ももに右足を乗せ、右太ももに左足を乗せる形をとる。
実際、やってみるとわかるが、めちゃくちゃつらい。つらい人は組むのを片足のみしてもよいとのこと。
姿勢
組んだ足の上に右の手のひらを上向きにして置き、その上に同じように左の手のひらを置く。親指同士が軽くふれる程度
にくっつけ、楕円形をつくる。
この状態が法界定印(ほっかいじょういん)というらしい。
呼吸
吸う息と吐く息で一つと数え、その一呼吸を百まで数える。百まで数えたらまた一に戻って繰り返し。
注意点
・呼吸を間違えなく数えること
・「呼吸を数えること」以外の雑念を交えないこと
・上記に反したらまた一に戻ること
そんな説明を聞きながら、僕はベイビーステップのことを思い出していた。
ベイビーステップというテニス漫画をご存じだろうか?この中のワンシーンで、座禅を練習の一環として坐禅に取り組むシーンがある。ゾーン状態に入る為、三昧の力という目の前のことに没頭する力を養うトレーニングしていた。
なんか、それと似てるなと思った。はい、それだけ。
ってなわけでスタート
本来は線香一本分の時間取り組むのだが、今回は体験ということで15分に設定してある。
・・・・・・・
・・・・・・・
一向に数が進んでいかない。
ここで僕が浮かび上がらせた雑念を紹介しよう。
・足痛い
・体勢つらい
・バックの中のスマホの電源切ったっけ
・今何時だ
・この後どうしようかなetc.
体験ならではの特別措置として、坐禅中に合掌することで警作を受けることができる。警作とは平たくて長い木製の棒のこと。坐禅といえば、想像しがちな背中を打たれるあれです(笑
せっかくの機会に体験しておきたい
いつ合掌しようかかな。
そんな本末転倒な雑念まで湧いてくる始末。
雑念が留まらせることで膨らんでいく。
流れる川の如く、心を無にして呼吸とともに数を数えるだけ。
ただそれだけなのに、乱されて集中することができない。
まとめ
個人的に、普段からなるべく無駄な時間をなくそうと効率を重視した考え方をしてしまいがち。
そんな中、何をするわけでもなく、ただおもむろに時が過ぎゆくのを感じる、というのは感慨深いものがある。
普段は、耳を澄ますことのない自然の音を感じ、喧騒から遠く離れた場所へと誘われる。
感覚的には、日常から物理的な距離が離れたところで良い景色や体験をしたときに味わえる解放感と似てる気がする。
訓練することで集中の時間を長くすることができると思う。
日頃、常に何かを思考し続けており心休まることのない人は、意図的に無の状態を作り出し、体感する価値があると思う。
おしまい
施設情報
毘沙門堂 勝林寺 公式:shourin-ji.org/zazen1/
住所:京都市東山区本町15-795
受付時間:8時~17時
TEL:075-561-4311
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