【感想】小説「陸王」からチャレンジ精神を学ぶ

【感想】小説「陸王」からチャレンジ精神を学ぶ

こんにちは。また良書に出会えたので、感想を書きたいと思います。こちら、ドラマもヒットした陸王です。

ドラマは観逃し続けたけれど、原作は読んだので感想を書きます。(簡易ネタバレ有

感想

池井戸潤氏の作品を読むのは、これまたヒットしたドラマ「半沢直樹」の原作であるオレたちバブル入行組オレたち花のバブル組、に続いて3作目。

率直な読後感としてはかなり爽快

「俺も頑張るか」と思えるようなとても前向きな気持ちになった。

主人公の宮沢社長も敏腕というより一般人。先代から跡を継いだ社長であり、庶民的な思考を持つ親しみやすい社長ってのもいい。終始共感し、感情移入しながら読みました。

というか悪役含めて、登場人物全員に華と個性があり、そこも楽しめるポイントかと。

 

あらすじ

 

埼玉県行田市にある足袋製造会社「こはぜ屋」は創業から100年の歴史をもつ老舗だが、近年は業績が低迷し資金繰りに悩んでいる。そんなある日、四代目社長の宮沢紘一はこれまでの足袋製造の技術力を生かし、「裸足感覚」を取り入れたランニングシューズの開発を思いつき、社内にプロジェクトチームを立ち上げる。
会社の存続をかけて異業種に参入した「こはぜ屋」だったが、資金難、人材不足、大手スポーツメーカーの嫌がらせや思わぬトラブルなど様々な試練に直面する。宮沢たちは坂本や飯山の協力や有村や村野の助言を受けて、試行錯誤を続けながらランニングシューズの開発に邁進するのだった。引用:Wikipedia

保守的企業の革新的挑戦

時代の変遷、服飾の変化とともに足袋そのものの需要が減少し、次々に淘汰されてきた足袋屋。業界全体の将来性が危ぶまれ、じわじわと衰退と一途を辿るのは、こはぜ屋も例外ではない。
何か策を打たねば、銀行からの融資も渋られる局面に陥りそうになった時、宮沢社長は立ち上がる。

実在するビブラム社のフィンガーファイブにインスパイアを受け、足袋ベースのランニングシューズの開発を目指すのであった。

伝統の名のもとにあぐらをかき、衰退から目を逸らし続けていた。

100年ののれん掲げながらも、これでいいと納得してきた。

典型的な保守気質な会社が、存続懸けた革新的に挑戦することを選んだ物語。

王道ストーリー?

何がいいかって挑戦を決断した登場人物の描かれ方がかっこいい。熱心さがかっこいい。一つの目標に向かい、協力者が現れて、邁進する様は清々しい。

展開的にうまくいきすぎと思う人もいるかもしれないが、それが醍醐味なのだ。そういう小説なのだ。

その爽快にプロジェクトを進めていく様に憧れ、自分の挑戦意欲を掻き立ててくれる。

僕も読み終えた後は、駅伝のシーンにも影響を受け、物理的にも走り出したくなる。

 

見習いたい

次々と降りかかってくる困難にめげずに立ち向かっていく。

そんな困難に常にリスクを取り続けて、決断する様は見習いたい。

 

リスク恐れず挑戦する。何もこれは、この小説の話だけでなく、人生に対して当てはまることだ。

過去の栄光にすがる。このままではいけないと思いつつ、何も行動しない。そんな自分の人生と重ねて考えてしまう。そんな立ち止まっている人にこそ薦めたい。

自分の挑戦、チャレンジ、変化を望んでいるが、一歩踏み出せずにいる人に向けたテーゼだ。背中を押してくれる、勇気づけられる一冊だと感じた。

余談

どんな作品も原作派を貫いているが、唯一ドラマ「半沢直樹」だけは原作を超えたと思っている。

堺雅人の演技もドンピシャのハマり具合で何度観ても痛快で面白い。

 

 

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