旅行に行った気分を味わえるおすすめの本5選【小説、旅行記】

  • 2020.04.12
  • 2020.04.15
  • 読書
旅行に行った気分を味わえるおすすめの本5選【小説、旅行記】

自粛の日々が続き、旅行に行きたくとも行けないもどかしい状況に陥っている方も多いことでしょう。。

ということで旅行気分を味わえる小説を厳選して5つ紹介したいと思います。
妄想ばかりが膨らむ悲しい現実は、本の力を利用して解消しましょう

深夜特急/沢木耕太郎

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旅行本の類のジャンルでは狂おしいほど紹介されており、「知らぬ人はいないのでは?」と思うほどです。

王道過ぎて省こうかとも思いましたが、殿堂入り枠として載せておきます。

沢木耕太郎著書の説明不要の名作。旅好きのバイブル的な位置づけにもなっていますね。

ちなみ全6巻あります。

ある日、思い立った26歳の沢木さんは、仕事を全て投げ出して旅に出ます。
インドのデリーからイギリスのロンドンまで行くという壮大な旅です。

勢いで旅に出るその姿は、現在も社畜としてくすぶっている僕の思いを背負ってくれたかのようです。
その大胆な生き様に憧れを抱かずにはいられません。

まとまった休暇が取れずに長い旅に出たくも出れない人は、文章を通じて沢木さんの壮大な旅を疑似体験させてもらいましょう。

また、「郷に入っては郷に従え」という格言を体現している沢木さん自身の行動に見どころです。

・現地で知り合った旅人の前で旅の先輩として、瓶のコーラよりも屋台のジュースを飲むシーン
・小綺麗なレストランより、地元の人が集まる食堂へ飛び込むシーン

行く先々で現地の人がとるような選択をしていきます。
そんな攻めの姿勢に世界を広げてくれる体験を追随できます。

旅人の鑑であるかのような姿に影響されて、自分が旅行に行ったときも攻めの選択をするようになります。

実際、そういう選択をしていく方が、後から思い出や土産話にもなるもので自分の世界を広げてくれるものになりますよね。

まさに一人旅の参考書です。必読。

 

また、あまり知られていませんが、後日談が綴られている旅する力もあります。

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遠い太鼓/村上春樹

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村上春樹の著作です。
分類的に小説、旅行記、日記、エッセイなど、、どの括りがふさわしいのかわかりませんが、一つ言えるのは、村上春樹が自身のために書いた文章であるということです。

何が良いかってまずタイトルの由来から唆られますね。

ある朝目が覚めて、ふと耳を澄ませると、何処か遠くから太鼓の音が聞こえてきた。その音を聞いているうちに、僕はどうしても長い旅に出たくなったのだ――。

なんだか鼻につくような後付けっぽい旅の理由にも思えますが、村上春樹の文章の魅力はこういうところに表れていると感じます。

「遠い太鼓に誘われて 私は長い旅に出た 古い外套に身を包み すべてを後に残して」

こんなトルコの古い譜が引用されているところもまたキザっぽいです。(褒めてます)

それ込みで楽しみましょう。

そして個人的に思い出深い本であります。
読んだのは当時大学4年生で、直前にイタリアへの卒業旅行を控えたときでした。
これから向かうヨーロッパへの期待を極限まで高めるために、むさぼるように読んだ記憶があります。

村上春樹のギリシャ、イタリアでの滞在記録とスローライフを巧みな描写を通じて満喫できます。

「こんな旅ができたらなー」と思わせてくれる表現力には脱帽です。

辺境・近境/村上春樹

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村上春樹繋がりでもう一つ。

こちらは短編の旅行記がいくつか収録されていいます。
短い時間で手軽に読めるのが魅力です。

印象深いところを引用させてもらうと、

リュックを肩にかけたときには、正直に言って「うん、これだよ、この感じなんだ」と思った。そこにはたしかに自由の感覚があった。
見渡すかぎり、ここには僕を知っている人は誰もいない。僕が知っている人も誰もいない。僕の持っているものはみんなリュックの中に収まっているし、僕が自分の所有物と呼べるのは、ただそれだけだ。

なんか、いいですよね。

人間、歳を重ねるにつれて、新しい経験が少なくなってくるものです。
けど、異国の地にリュックひとつで飛び込むことで、これから起きる全てが未知の体験という状況が生まれます。
こう思うと計画性のある綺麗な旅行より、ちょっとハードボイルド要素のある旅行に惹かれますね。

 

ついでにもうひとつ引用を。

でもそれについて誰かに語るというのは、簡単なことじゃありません。こんなことがあったんだよ、こんなところにも行ったんだよ、こんな思いをしたんだよ、と誰かに話をしても、自分がほんとうにそこで感じたことを、その感情的な水位の違いみたいなものを、ありありと相手に伝えるというのは至難の技です。

僕もいくつか旅行記じみたものを書いています。

これを読んで、旅行での出来事、感情を伝えるのは、繊細な作業だと感じるとともに惹き込む旅行記を書くものへの憧れが増すばかりです。

未必のマクベス/早瀬耕

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こちらは、上記のような旅行記というより、小説です。
アマゾンの商品説明には、異色の犯罪小説にして恋愛小説。とありますが、僕は旅行小説の一面も兼ねていると思いました。

何故なら舞台が東南アジアなのです。
ところどころに登場するアジアを連想させる描写シーンは、旅行への意欲を存分に掻き立ててくれます。

具体的に挙げると

・度々出てくるワンタン麺食べるシーン
・スーツ姿でココナッツジュースを飲むシーン
・マカオでポルトガル料理のアフリカンチキンを食べるシーン

食べ物ばかりのシーンをピックアップしてしまいましたが、どれも「あ、食べたい、、、」と羨ましく思うほどの情景が浮かび上がってきます。
思わず真似したくなるような振る舞いがてんこ盛りです。

もちろん、小説としてのストーリーも精巧で読みごたえがあります。
次から次へとスピード感のある展開で、次はどうなるのか気になりすぎて、一気に読めます。

ページ数のボリュームはありますが、それを感じさせない展開力があります。

旅のラゴス/筒井康隆

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こちらも小説。
やたらとおすすめされている小説のひとつですね。

紹介した本の中で、最もメッセージ性のある小説だと思います。

旅のラゴスを読んで感じたのは、「変化の恐れるな」との教訓です。
それも直接的で強いメッセージからでなく、旅という観点からそれを伝えてくれます。

「変化」自体が良い結果を生むか悪い結果を生むかはわかりません。しかし、もどかしくいる自分を後押ししてくれることは間違いありません。

平凡なSF小説といってしまえばそれまでなのですが、SF要素はおまけみたいなもので本質は主人公ラゴスが旅を続けるその様子そのものです。

ラゴスの変化を恐れない勇敢な様子と自分の好奇心に嘘つかない行動力に勇気をもらえます。

こちらで詳しく語っております。
関連記事>>おすすめされがちな「旅のラゴス」を読んで感じた変化を追及する姿勢【感想】

ネタバレ有りで書いているのでご注意くださいませ。

旅行に行った気分を味わえるおすすめの本 まとめ

 

以上、5つ紹介させていただきました。

ここまで読んでいただいた方は、さぞ「旅行好き」、あるいは「読書好き」なのでしょう。

ということで

また、僕自身もこちらで国内、海外問わず、旅行記を書いていたり、
【旅行記】デモの影響とか気にせず2泊3日で香港へ行ってきた【観光】

【冬の東北旅行記1】雪の中の松島、福浦橋、銀山温泉を観光した

ジャンル問わず、書評を書いているので、

【感想】中村文則:著「何もかも憂鬱な夜に」を読んで何もかも鬱になる

【感想・書評】思考の整理学から得た考え方のヒント
ので、よければよろしくどうぞ。

皆様も素敵な旅行&読書ライフをお楽しみください。

それでは。

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